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ドローンで農薬散布を行うために必要なこと
ドローンによる農薬の空中散布は、防除作業の負担軽減と生産性の向上が期待される技術として近年注目を集め、散布面積も増加傾向にあります。ドローンでの農薬散布に関係するのが「航空法と農薬取締法」という法律です。これから農薬散布にドローンの活用をお考えの農業者の皆さまに、2つの関連法律に基づく「ドローンで農薬散布を行うために必要なこと」をご紹介致します。
飛行の事前申請が必要です
航空法ではドローンによる農薬散布は国土交通大臣の承認が必要となる飛行形態「危険物輸送」「物件投下」「物件から30m以上離れる」「夜間飛行(日の出前の散布作業」に該当し、事前の申請と承認が必要です。
申請書の様式は国土交通省のHPよりダウンロードすることができます。
<申請書の様式や作成要領はコチラ>
申請書の記入および申請にあたっては、国土交通省ホームページの「無人航空機の飛行ルール」より詳細をご確認の上で行って下さい。
提出書類が準備できましたら、以下のとおり期限内に申請し、審査結果を待ちます。
なお、上記の申請は、作業者本人による申請だけではなく、機体メーカーや販売代理店等による代行申請も可能となっています。もし、申請について不明点等がある場合は、機体を取り扱う業者等へ一度問い合わせることをオススメします。また、申請とあわせて飛行の承認を得るためには、一定の技能と10時間以上の飛行経歴も必要とされています。これらの技能要件への対応と安全運行のために、ライセンス発行が可能な民間の企業・団体で教習を受けることもオススメです。
散布計画の策定が必要です
農薬の安全で適正な使用のため、ドローンでの農薬散布は農薬取締法に基づき、農薬ラベルに記載されている使用方法を遵守するとともに、ドリフトが起こらないよう十分注意することが必要です。農薬を使用する者が遵守すべき基準を満たした安全で適正な空中散布となるよう、作業の実施主体(防除を自らは行わず他社へ委託するものも含む)は、空中散布の実施区域周辺に住宅地等が近接していないかといった地理的状況、収穫間近の圃場が近接していないかといった耕作状況等の作業環境を十分に勘案した上で実施区域および実施除外区域の設定、散布薬剤の選定を検討し、実施場所・実施予定月日・作物名・散布農薬名称・10a当たりの使用量または希釈倍数について記載した計画書の作成が必要です。計画の策定にあたっては「空中散布ガイドライン」を確認しましょう。
なお、無人ヘリコプターを除くドローン(マルチローター)を活用した散布計画と実績については、提出まで求めないとされています。計画の作成が完了したら、散布の実施区域とその周辺に公共施設・家屋・ミツバチの巣箱等がある場合、実施主体は計画した農薬散布の実施予定日時、農薬の使用目的、使用農薬の種類および実施主体の連絡先を十分な時間的余裕を持って該当施設等へ情報提供し、必要に応じて作業日時を調整する必要があります。
散布作業の際には
実際の散布作業においては、必ず承認を得た内容に即した飛行を行わなくてはなりません。風向きを考慮した上で、飛行速度・高度・間隔などの農薬の散布方法は、機体の取扱説明書やガイドラインに記載されたルールを必ず守って作業を行います。万が一、機体事故や紛失が発生してしまった場合は地方航空局への報告が、農薬の流出やドリフトが発生した場合は都道府県の農薬指導部局への報告が必要になります。