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豪雨や台風の被害から大切な農地と作物を守るために
2023年6月1日から3日にかけて、西日本と東日本の太平洋側で相次いで発生した線状降水帯による大雨被害について、政府は27日「激甚災害」に指定する見込みであることを発表しました。近年、気候変動にともなう自然災害によって農業関係者の皆さまに大きな被害が及ぶことも少なくありません。
今回の農トレでは、農業関係者が風水害の被害を最小限にするために準備しておくことができる備えや、万が一被害に遭ってしまった時に活用できる制度資金に関する情報をご紹介します。
農林水産省が公開する予防減災情報
農林水産省は、農業関係者が風水害に備えるためのポイントを、11の分野別にまとめてホームページ上に公開しています。ここでは「農業用ハウス」「水稲・麦・豆」「野菜・花き」の3分野から一部を抜粋してご紹介いたします。
農業用ハウス
【停電対策】
● 天窓や側窓の自動換気装置や遮光カーテンについて、停電時に手動で操作できるよう器具や足場を準備しておく
● 非常用発電機を持っている場合、停電時すぐに養液栽培装置や環境制御装置に接続できるよう準備しておく
【破損・倒壊対策】
● 被覆材は、たるみや破れがないようにしっかりと展張する
● 換気部(サイド部、谷部)や被覆材の隙間などに、風の吹き込み口がないか確認する
● ハウスバンド、被覆材の留め金具は、ゆるみのないようしっかり留める
● 基礎部、接続部分、谷樋・柱に、腐食やサビがないか確認する
● 斜材を設置するなど、応急的な補強をおこなう
● 換気扇のあるハウスでは、排気してハウス内を減圧しておく
● ハウスの耐風速以上の強風が予想される場合は、あらかじめ被覆フィルムを除去しておく
水稲・麦・豆
【ほ場の整備】
● 水路の清掃、溝切り対策、明きょ等の点検・補修などの排水対策を行う
野菜・花き
【強風被害の軽減対策】
● 損傷や倒伏を軽減するため、茎や枝を支柱やネット、誘引線にしっかりと固定する
● 支柱等の点検・補強を行う
● 葉菜類、草丈の低い花きは、倒伏や茎折れを軽減するため、べたがけ資材の利用や土寄せを行う
● 収穫可能な果実や切り花などは早めに収穫する
【被害拡大防止のための対策】
● 被災後の生育回復に向けた肥培管理(葉面の早期洗浄、薬剤散布など)や補植用苗の確保などの段取りを事前に確認する
● これまでに冠水したことのある地域では、速やかな排水を行うために排水ポンプの準備を検討する
● 台風や豪雨の後は、倒伏した株を早急に立て起こし、茎や花穂の曲がりを防止する
● 折れた茎葉の除去、適切な薬剤散布等により、病害の発生抑制に努める
自然災害等のリスクに備えるためのチェックリストと農業版BCP
農業者が自然災害等への備えに取り組みやすいよう、農林水産省では「自然災害等のリスクに備えるためのチェックリスト(以下「チェックリスト」)」と「農業版BCP※(事業継続計画書)」のフォーマットを配布し、積極的な活用を呼びかけています。フォーマットはそれぞれ耕種、園芸、畜産の3パターンがあり、いずれも農林水産省HPからダウンロードが可能です。平時からチェックリストと農業版BCPを策定しておくことは、リスクに対する備えや被災後の復旧手段を明確にし、緊急時の損害を最小限にとどめて事業の早期復旧を果たすことに繋がると言われています。
農林水産省のホームページには、概要が簡潔にまとまったパンフレットや、フォーマットを利用している農業者の声などが公開されています。
詳細はこちらをご確認ください。
災害によって被害を受けた場合に利用可能な制度資金の例
自然災害や、社会的・経済的環境変化等により、農林漁業経営の維持安定が困難な農林漁業者を対象に、一時的な影響に緊急的に対応するために必要な長期資金を日本政策金融公庫等が融資するものです。
借入限度額は、簿記記帳を行っている場合は年間経営費の6/12または粗収益の6/12に相当する額のいずれか低い額、簿記記帳を行っていない場合は600万円です。
災害により農林漁業者等が被害を受け、経営に打撃を受けた場合に、果樹の改植、農林漁業施設、共同利用施設の災害復旧に要するための費用を日本公庫等が融資するものです。貸付限度額は、負担額の80%または1施設当たり300 万円(特認 600 万円、漁船(20 トン未満:1,000 万円、20 トン以上:最大 11 億円))のいずれか低い額(共同利用施設は負担額の80%)です。
【参照】
● 豪雨や台風等の風水害に備えるための予防減災情報(農林水産省HP)
● 自然災害などの影響を受けた農林漁業者・食品事業者の皆様へ(農林水産省HP)
【関連リンク】
● 気象情報・注意報の情報(気象庁HP)
● 施設園芸の被害防止と早期復旧対策に関する技術情報 (農林水産省HP)