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第21話・メロンつる枯病 後編
〜農学博士・児玉不二雄の植物の病気の話

前回(第21話・メロンつる枯病 前編)の続きです。

 


 

《 伝染経路と発生環境 》

 

被害植物とともに、柄子殻や子のう殻が地表面に落ちて越年し、伝染源となります。分生子や子のう胞子は、潅水時の水のはね返りなどで飛散して、病気をまん延させます。これを第一次伝染源といいます。また、種子伝染も発生します。

連作すると発病が多くなります。土壌温度が20℃以上で発病しやすく、湿度の高いときに発生しやすいので、長雨の後に晴天が続くと多発します。

 


 

《 防除法 》

 

1. 無病苗を定植し、病株は見つけしだい除去します。
2. 多湿を避け、通風を良くしましょう。
3. 使用したポットなどは散乱せず、伝染源の除去に努めること。薬剤を株元塗布したり、茎葉散布を行いましょう。

 


 

《 病原菌と寄主範囲 》

 

病原菌は、Didymella bryoniae〔ディディメラ・ブリオニエ;子嚢胞子時代の呼び名〕、Mycosphaerella melonis 〔マイコスフェレラ・メロニス;分生子(=胞子)時代の呼び名〕の2つがありました。しかし、子嚢殻・胞子(完全時代)が発見された時点で、分生子時代の呼び名は、正式名ではなくなりました。正式名ではないので、異名と言います。人の名の「戸籍名」と「通称」のようなものです。ついでながら、蔓枯病の正式な英語名は、Gummy stem blightです。以上、かなりマニアックな話でした。

この病原菌は、メロンの他にキュウリ、スイカ、カボチャにも感染します。感染・発病させることのできる植物のグループを寄主範囲と言います。宿主範囲とも言います。

 


 

今回のキーワード:柄胞子(=分生子の1種)、第一次伝染源、
完全時代、異名

 

■執筆者プロフィール

児玉不二雄 Fujio Kodama

農学博士・(一社)北海道植物防疫協会常務理事。北海道大学大学院卒業後、道内各地の農業試験場で研究を続け、中央農業試験場病理科長、同病虫部長、北見農業試験場長を歴任。2000〜2014年まで北海道植物防疫協会会長を務める。

45年以上にわたって、北海道の主要農産物における病害虫の生態解明に力を尽くし、防除に役立てている植物病理のスペシャリスト。何よりもフィールドワークを大切にし、夏から秋は精力的に畑を回る。調査研究の原動力は、“飽くなき探究心”。

 

※本コラムの内容は、2009年よりサングリン太陽園ホームページ 「太陽と水と土 」に連載しているコラムを加筆・修正したものです