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写真から稲の異変を診断!?「レイミーのAI病害虫雑草診断」に迫る!
農業者の高齢化や担い手不足など、日本の農業が抱える課題を解決する手段の1つとして、AIやICT等の技術を農業に活用する「スマート農業」が期待されています。本共同体は、そんなスマート農業に取り組み、普及していきたいという思いを持った方たちが出会い、つながる場となることを目指して発足しました。今回は、SAc会員企業のスマート農業への取り組みを事務局の体験を通じてご紹介いたします。
操作は簡単!アプリを起動し、スマートフォンで写真を撮るだけ!
SAc会員である日本農薬株式会社は、2020年4月より「レイミーのAI病害虫雑草診断」というスマートフォン用の無料アプリをリリースしています。このアプリには同じくSAc会員の日産化学株式会社、日本曹達株式会社、三井化学アグロ株式会社が参加し、生産者にとっての利便性を向上させています。
同アプリは、農作物に被害を及ぼす病害虫や雑草をAIが写真から診断し、有効な薬剤情報を提供する防除支援ツールです。作物に発生した病気や害虫、圃場に発生した雑草などをスマートフォンで撮影すると、それがどのような病気・害虫・雑草であるかを診断します。事前に撮影した写真をギャラリーから選択し、診断することも可能です※①。撮影した写真をAIが自動判定する「AI診断」と、似ている写真を選択して雑草・害虫名を診断する「カルテ式診断」とを適宜選択できます※②。ダウンロード後は、アプリのガイドに沿って操作していくだけ。迷うことなく簡単に使用することができます。
防除に有効な薬剤まで!
診断結果をもとに、その病害虫・雑草の防除に有効な薬剤を調べることも可能です。診断結果画面の下に表示される「この対象物を防除する」ボタンをタップすると、対象物の防除に有効な薬剤の一覧を見ることができ、気になる薬剤をタップするとその詳細が表示されます。
日本農薬株式会社の薬剤に加え、参加メーカーである日産化学株式会社・日本曹達株式会社・三井化学アグロ株式会社の計4社の製品が表示されるので、幅広い商品の中からお悩みや圃場にぴったりの薬剤を検討することができます。そのほか、天気予報やいもち病発生予測機能があり、水稲栽培に役立つ機能が満載です。
実際に試してみました!
①AI診断
先日、SAc事務局は北広島市で水稲などを栽培する農家さんを訪ね、実際にアプリを使用してみました。その時の「AI診断」の結果がこちらです。
診断結果はAI の自信度が高い順に表示されるとともに、発生に関する詳しい情報も得ることができるので、対象物の識別・防除に役立ちそうです。
②カルテ式診断
一方、「カルテ式診断」では、アプリに収録されている豊富な写真の中から、撮影した写真と類似した写真を選ぶことで対象物の名前を判定することができます。同じ対象物の中で生育段階の異なる写真が数種類収録されているので、写真と見比べての判断がしやすく、こちらも便利です。
使用した率直な感想としては、操作性がよく、判定可能な対象物が多いことに驚きました。スマートフォンの操作に慣れている方なら、簡単に使用できると思いますし、雑草・病害・害虫と、水稲の幅広い異変に対応しているツールだと実感しました。数社の製品から薬剤を検討できることも、使用者にとって大きなメリットなのではないでしょうか。
ただ、現段階では写真撮影時の工夫が少し必要となっています。診断対象物が水面にある状態で、対象物だけにフォーカスを当て、対象物以外のものはなるべく写り込まないように写真を撮影します。写真の角度、光の加減や影で判定結果が左右されてしまうので、AIの診断自信度が低い場合は何度か撮影して検討する必要がありそうです。診断結果を過信しすぎるのではなく、自分の知識や経験を踏まえた上でAIの診断を参考にされてはいかがでしょうか。
今後、診断精度が更にアップし、判断のつきづらい発生初期の段階で判定が可能になるとすごく参考になると感じました。また、防除したい対象物や薬剤に関する情報が豊富に収録されているので、病害や雑草に対する知識に不安がある方も安心です。新規就農者の方や、水稲に関する幅広い知識をつけたい方にもおすすめです。
訪問した農家さんがポロッと口にした、「これは何という雑草だろう?」という言葉が忘れられません。そんな時にAIが瞬時に判断し、農家さんの不安や悩みを少しでも軽くする時代がすでに来ているのかもしれませんね。
機能拡充を準備中!
現在の診断対象作物は水稲のみですが、今後は園芸作物に使用できるよう、機能を拡充していくそうです。また、薬剤の販売店舗の表示・プレゼント企画など、アプリの充実化も図っています。無料で気軽に利用できる防除支援アプリ。今後、更に機能が充実していく予定ですので、ぜひ一度ダウンロードされてみてはいかかでしょうか?