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無人航空機の飛行ルール

ドローンの所有者に氏名や住所の登録、機体の識別番号表示を義務付ける改正航空法が、6月17日に成立しました。この登録制度は2022年までに開始される予定となっていますが、ドローンなどの小型無人機を飛行させる際の規則はご存知ですか?

安全に使用するために、事前に法律や罰則について調べておくことが大切です。

 


 

改正航空法の概要

 

●無人航空機の飛行ルールの対象となる機体

飛行ルールの対象となる無人航空機は「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計が200g未満のものを除く)」です。いわゆるドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等が該当します。

 

 

●飛行ルールとは

航空法において、無人航空機を飛行させる際の基本的なルールが定められています。このルールに違反した場合には、50万円以下の罰金(飲酒時の飛行は1年以下の懲役又は30万円以下の罰金)が課されることがありますので、法令を遵守しながら安全に飛行させましょう。

 


 

1.飛行の許可が必要になる場所

 

以下の(A)〜(C)の空域のように、航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれのある空域や、落下した場合に地上の人などに危害を及ぼすおそれが高い空域において無人航空機を飛行させる場合には、あらかじめ国土交通大臣の許可を受ける必要があります。

 

 

(A)空港等の周辺の空域

空港やヘリポート等の周辺に設定されている進入表面、転移表面もしくは水平表面又は延長進入表面、円錐表面もしくは外側水平表面の上空の空域、(進入表面等がない)飛行場周辺の航空機の離陸及び着陸の安全を確保するために必要なものとして国土交通大臣が告示で定める空域のこと。

 

(B)地表又は水面から150m以上の高さの空域

地表または水面から150m以上の高さの空域を飛行させる場合には、許可申請の前に空域を管轄する管制機関と調整が必要です。

 

(C)人口集中地区の上空

人口集中地区は、5年毎に実施される国勢調査の結果から一定の基準により設定される地域のこと。人口集中地区についてはjSTAT MAPで確認できます。

 

なお、空港等の飛行禁止空域・人口集中地区・飛行可能施設などについて、分かりやすく表示されるドローン専用飛行支援サービス(SORAPASS) からも確認することができます。

これらの飛行禁止区域をまとめた情報は随時更新されますので、飛行させる場所およびその周辺についてこまめに確認されることを推奨します。

 

 

〈機体重量が200g未満の場合〉

バッテリーを含めた重量が200g未満のドローンは無人航空機の飛行ルールの対象とはならず、航空法の第99条の2の規制(空港等周辺や一定の高度以上の飛行については国土交通大臣の許可等が必要)のみ適用されます。

しかし、機体重量が200g未満であっても小型無人機飛行禁止法の対象となるため、国が定める重要施設周辺を無許可で飛行することができません。

 

※国会議事堂、首相官邸、外国公館、原子力事業所、その他、国の重要施設の周辺(おおむね300mの範囲)は、この法律によってドローンの飛行が禁止されています。

 


 

2. 無人航空機の飛行方法

 

飛行させる場所に関わらず、操縦者が遵守すべき基本的なルールが定められています。

 

・アルコールまたは薬物等の影響下で飛行させないこと

・飛行前確認を行うこと

・航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること

・他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと

日中(日の出から日没後まで)に飛行させること

・目視外飛行(FPV、モニター監視など)ではなく、目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること

第三者または第三者の建物・車両などの物件との間に30m以上の距離を保って飛行させること

・祭礼、縁日など多数の人が集まる催し場所の上空で飛行させないこと

・爆発物など危険物を輸送しないこと

物を投下しないこと

 

 

 

《地方航空局長の承認が必要となる飛行の方法》

 

 

ドローンを用いた農薬散布では、太文字で示した条件に沿わずに飛行させる可能性がありますので、事前に地方航空局長の承認を得ることが必要です。

申請方法につきましては、当サイトの記事「ドローンの農薬散布を行うために必要なこと」をご覧ください。

 

またドローンを飛ばす際には「ドローン情報基盤システム(FISS)」へ飛行計画の登録も義務化されています。飛行情報を共有することによる航空機間の安全確保を目的とし、他のドローン操縦者との鉢合わせや150m以上の上空飛行で有人航空機との鉢合わせを未然に防ぐことができます。

FISSに関してこちらの記事「FISS(ドローン情報基盤システム)の義務化」でご紹介していますので、参考にしてみてください。

 


 

 

その他の規制

 

無人航空機を使用する際、機体の重量に関わらず気をつけなければならない法律を以下にご紹介します。

 

〈軽犯罪法〉

許可なく他人の住宅など、プライバシーに関わる情報の侵害が行われた場合に適応され、罰則を受けます。

 

〈道路交通法〉

道路(公道)をドローンの発着場として使用する場合は、道路交通法という法律が関係します。公道で作業をする、または他の交通を妨げる恐れがあるといった場合、事前に道路使用許可が必要になります。

 

〈電波法〉

国内で使用するドローンは「特定無線設備の技術基準適合証明(通称:技適)」の取得が義務付けられ、国外購入の技適未取得ドローンを国内使用すると罰則を受けます。

 

〈民法〉

個人や企業の私有地の所有権は、その土地の上下に及ぶため、許可なく他人の私有地を飛行すると民事訴訟を起こされ、罰則を受ける可能性があります。

 

上記以外にも、都道府県や市区村町が定める条例でドローンの飛行や利用が規制されるケースがあります。県立公園などでのドローンの飛行禁止を定めるもの、ドローンの飛行を迷惑行為として規制するものなどで、自治体によって内容が異なるので注意が必要です。

ドローンの普及が広がるなか、少しでも規制にかかりそうな場所での飛行は関係各所への事前確認がポイントとなります。

 

日頃から情報収集をしっかりと行い、便利な無人航空機を安全に活用しましょう!

 

参考:国土交通省ホームページ「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール 」