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世界で注目されているバイオスティミュラントとは
昨今、世界的に注目されているバイオスティミュラントとは、どのようなものかご存知でしょうか?
従来の資材との違いやその特徴をまとめました。
バイオスティミュラントとは
Bio stimulant … 生体刺激剤(直訳)
植物あるいは土壌に処理することで、植物体により良い生理状態をもたらすさまざまな物質や微生物、あるいはそれらが混在する資材の総称が「バイオスティミュラント」です。植物への「非生物的ストレス」を軽減することにより、植物が本来持っている能力を引き出し、植物の健全な生育を促します。
非生物的ストレスとは、環境ストレス(外界からのストレス)のことを指しています。植物は動物のように動くことができないため、温度(乾燥・凍結)/栄養欠乏・過多/光の量/重金属等の土壌由来のストレスなどから場所を移動して逃れることができず、生育する周りの環境の影響を常に受けてしまいます。
バイオスティミュラントは、これらの環境由来のストレスに対する抵抗力を高め、植物が本来持っている収量・品質ポテンシャルを引き出してくれる新しい資材として注目されています。
代表的なバイオスティミュラントの役割
バイオスティミュラントの使用目的はさまざまです。「植物栄養吸収の強化」「生長刺激」「増収」「非生物的ストレスに対する耐性」などの目的に対して、バイオスティミュラントは次に挙げるような効果を発揮してくれます。
●根圏環境の改善~根量の増加・根の活性向上・栄養素の吸収促進
●開花・着果の促進
●ストレス耐性の向上・回復~耐寒性・耐暑性・耐乾燥性、低日照耐性など
●浸透圧の調節
●代謝の向上
●光合成の活性化
従来の資材とバイオスティミュラントの違い
○農薬との違い
農薬 ・・・・・・ 生物的ストレス(害虫・病原菌…)を緩和
バイオスティミュラント ・・・・・・ 非生物的ストレス(温度・乾燥・霜…)を緩和
○肥料との違い
肥料 ・・・・・・ 植物に栄養を供給
バイオスティミュラント ・・・・・・ 植物栄養素の吸収を促進
○土壌改良材との違い
土壌改良材 ・・・・・・ 土壌を物理的・化学的に変化させる
バイオスティミュラント ・・・・・・ 植物をより良い生理状態に
これらのように従来の資材と立ち位置が違うバイオスティミュラントですが、現在のソリューションと併用することで、補完的に働いてくれます。
バイオスティミュラントはこれからの資材
バイオスティミュラントがなぜ必要とされているのか、その背景を整理します。
世界の人口急増に伴う食糧危機
日本では人口は減少傾向にありますが、世界の人口は凄まじいスピードで増加しており、2050年には今より20億人以上多い95億人になると予測されています。
しかし、約15億haといわれる地球の耕作面積には限りがあり、このままでは1人当たりに割り当てられる食糧は減少することが予想されています。
気候変動や砂漠化
さらに、地球温暖化による各地の気候変動や砂漠化も背景の1つに挙げられます。日本国内においては記録的な高温や日照不足は作物の収量低下を招き、平均気温の上昇によって作物の適作地を変更せざるを得なくなることも考えられます。
また、農業者の高齢化や担い手不足という課題も抱えています。バイオスティミュラントによって植物の免疫力を高め、少ない労力でより大きな収益を狙うといった点は、世界で使用されている目的とも合致しています。
日本ではバイオスティミュラントの普及・定着を目指し、日本バイオスティミュラント協議会(JBSA)が2018年1月に発足したばかりと、未だ黎明期にあります。協議会では、この先バイオスティミュラントを定義化・カテゴライズし、農薬・肥料同等に基準化させることを目的としています。バイオスティミュラントが農薬や肥料のように農業生産活動において当たり前の選択肢のひとつになる日も近いのかもしれません。
持続可能な農業を可能にするバイオスティミュラント。それぞれの資材の特性をしっかりと見極めた上で、取り入れてみるのはいかがでしょうか?
出典元:日本バイオスティミュラント協議会資料