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第6話・ヘソディムにまつわる最新情報の紹介
〜東京農業大学・對馬先生の「ヘソディムの話」

現在、各種病害のヘソディムマニュアルを紹介しているところですが、この原稿を執筆中に県の友人からヘソディムに関連する情報が入りましたので紹介します。

 


 

 1つ目は、農林水産省が12月21日に発表した、『我が国の食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるための新たな戦略として「みどりの食料システム戦略~食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現~」を策定・推進するため、「みどりの食料システム戦略本部」を設置しました』(農水省サイトより)というニュースです。その中の「化学農薬の使用削減に向けた技術革新」のところで、2030年から2040年に「AIを活用した土壌病害発病ポテンシャルの診断技術」が「雑草ロボットの普及」とともに太字強調で掲載されていました。「発病ポテンシャル」は、本コラムでも述べたように、わたしがヘソディムで評価の基準として作成したものですので、この文章はまさにヘソディムのことを指していると考えます。
 ヘソディムは「従来のカレンダー防除」と異なり、圃場毎に未病の段階から圃場の健康を診断して対策を講ずる予防重視の考え方(システム)です。新しいことが苦手といわれる日本人に理解してもらうには時間がかかるだろうと考えていましたので、この記事を見た時は、国レベルではありますがやっと認められたという思いと、思っていたより早く認められたという2つの思いがありました。予想外に早く認められた理由は言うまでもなく、多くの県の方々がマニュアル作成や生産現場での取り組みを国内に発信していただいたからであり、感謝でいっぱいです。なお、「AIの活用」については本コラムの後半で紹介したいと思います。

 


 

 2つ目は、日本土壌協会が2020年9月に出版した書籍「土壌診断のきほん」の中で「ヘソディム」が紹介されたことです。
これまで、病害分野の関係者が雑誌等で紹介している例はありますが、土壌肥料・土壌学の分野の書籍で紹介されたのは初めてではないかと思います。ヘソディムの土壌診断事業が普及するためには、従来行われている土壌肥料分野の診断事業との融合が必須です。今後さらに土壌肥料分野の方々との連携が必要と考えており、この書籍に取り上げられたことはとても意義があると考えています。

 

 今回はここまで。次回からはヘソディムマニュアルの紹介に話を戻して、アブラナ科野菜の根こぶ病以外のマニュアルについてご紹介していきます。

 


 

■執筆者プロフィール
東京農業大学生命科学部分子微生物学科植物共生微生物学研究室
教授 對馬誠也(つしま せいや)

1978年 北海道大学農学部農業生物学科卒業
1980年 北海道大学大学院修士課程 修了
1995年 博士号授与(北海道大学) 「イネもみ枯細菌病の生態と防除に関する研究」
1980年 農林水産省九州農業試験場病害第一研究室
1991年 農林水産省農業環境技術研究所微生物管理科
1995年 農林水産省東北農業試験場総合研究第3チーム
2000年 農林水産省農業環境技術研究所微生物管理科
2001年 独立行政法人農業環境技術研究所農業環境インベントリーセンター微生物分類研究室室長
2007年 独立行政法人農業環境技術研究所生物生態機能研究領域長
2009年 独立行政法人農業環境技術研究所農業環境インベントリーセンター長(2015年退職)
2015年 非営利活動法人活動法人圃場診断システム推進機構理事長
2017年 東京農業大学生命科学部分子微生物学科植物共生微生物学研究室 教授
現在に至る