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農林水産省が新規就農支援策を刷新
2021年12月28日、農林水産省は2022年度農林水産予算概算決定を発表し、「新規就農者育成総合対策」として就農支援を2022年度より刷新することが正式に決定しました。
担い手不足という課題を抱える農業業界において、本共同体ではスマート農業技術と同様に以前からこの話題にも注目しています。
新たな支援策では、現行制度の見直しが行われ、新規就農者による機械等の導入費を国と県が補助する事業や新規就農者の支援体制を強化する事業が新設されます。
今回の農トレでは、2022年度より開始の新たな支援策についてご紹介いたします。
新規就農者育成総合対策のポイント
※農林水産省HPより
○ 機械・施設などの導入支援
このたび新設される補助事業では、新規就農者が機械等の導入をする際に、国と都道府県から費用の補助を受けることができます。
対象者 | 新規就農者、親元就農し5年以内に経営を継承した者 |
---|---|
補助対象事業費 | 機械や施設、家畜の導入、果樹や茶の改植、リース料など最大1000万円
(国と県で最大750万円を補助) |
補助割合 | 国1/2 県1/4 本人1/4
国が半額を条件に県の倍を負担 |
○ 資金面の支援
さらに現行事業を引き継ぐ形で、全国国費による以下の資金交付事業が実施されることが決定しました。
・経営開始支援
現行では、新規就農される方の定着を図るため、就農後5年以内で一定の給付金の交付を受けることができるものです。
対象:新規就農者、親元就農から5年以内に経営を継承し、新規作物の導入に取り組む者
現行
農業次世代人材投資事業(経営開始型) |
経営開始1~3年目:年150万円
経営開始4~5年目:年120万円 最大690万円 |
2022年度以降 | 月12.5万円または年150万円×最長3年=最大450万円 |
※この資金交付事業を活用する場合、機械や施設などの導入を支援する新事業の補助対象事業費の上限が500万円となります。(補助額は最大国250万円、県125万円の計375万円)
・雇用就農支援
現行では、新規就農者の雇用就農及び研修後の独立就農を促進するため、農業法人等が就農希望者を雇用して実施する実践的な研修等を支援するものです。
対象:雇用元の農業法人等
現行
農の雇用事業(雇用就農者育成・独立支援タイプ) |
年120万円×最長2年=最大240万円 |
2022年度以降 | 年60万円×最長4年=最大240万円 |
・研修支援
現行では、都道府県が認める道府県の農業大学校等の研修機関等で研修を受ける就農希望者は、最長2年間交付金を受けることができるものです。
対象:就農準備段階の研修生
現行
農業次世代人材投資事業(準備型) |
年150万円×最長2年=最大300万円 |
2022年度以降 | 月12.5万円(年150万円)×最長2年=最大300万円 |
○ サポート体制の充実・人材呼び込みの支援
新規就農者の支援体制を強化する事業が新設されるほか、教育機関や就農を後押しする関連機関へのサポートが強化されます。主な支援策は以下のとおりです。
・JAなどの研修農場整備を支援
JAなどの「併走期間」が研修農場に機械や施設を導入する場合に、国が半額を支援
・生活面を相談できる相談窓口の設置
資金、住宅等生活面を相談できる「就農相談員」による生活支援
・就農後の技術サポート支援
技術・販路確保などを指導する「先輩農業者」による営農支援
・農業教育の充実
農業大学校や農業高校などによる機械・設備の導入、海外研修の費用を支援スマート農業や環境配慮型農業の教育課程の強化
・就業体験や新規就農フェアの催しを支援
農林水産省は、新規就農者に対する支援の拡充、JA等「併走機関」への支援を拡充することで、農業への人材の一層の呼び込み促進を図るねらいです。
新たな補助事業や、資金交付事業については、農林水産省HPをご確認ください。