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「空の産業革命」への道筋を示すロードマップが公開
昨今の農業業界では、農薬散布や作物の生育管理にドローン等の無人航空機を活用することが増え、先端技術が現場に普及しはじめてきています。
政府は現在、ドローンなどの航空機や空飛ぶクルマなどの活用による「空の産業革命」を目指し、実現に向けた協議を開始しています。
令和3年6月28日に開かれた「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第16回)」では、無人航空機分野で数年のうちに目指す姿が議論され、それをもとに先日「空の産業革命に向けたロードマップ2021」が公開されました。
今回の記事では「空の産業革命に向けたロードマップ」についてご紹介いたします。
「空の産業革命に向けたロードマップ」とは
「空の産業革命に向けたロードマップ」は、空の産業革命を実現させるための政府の取り組みを工程表にまとめた指針のことで、2017年より毎年公開されています。
ロードマップの中では、ドローン普及のためのレベル1から4の目標が設定されています。
※首相官邸 無人航空機のレベル4の実現のための新たな制度の方向性について より
レベル1は、目視内での操縦、レベル2は目視内の自動飛行で、これらはすでに農業用のドローンをはじめ様々な場面で活用が進められています。
レベル3・無人地帯における目視外飛行は、モニターなどを使用して、目視で機体を直接確認せずに遠隔でドローンを飛行させることを指しています。立ち入りが難しい災害現場などでの活動や、離島や山岳部への荷物の配送などを実現するため、現在各地で実証活動が行われている段階ですが、未だ飛行に関する制限や課題が多いのが実情です。
続いて、先日公開された2021年版のロードマップで2022年度内の実現を目標としているのがレベル4・有人地帯における目視外飛行です。人口が多いエリアへの荷物の配達に加え、都市部での警備やインフラ点検など、様々な活用方法が想定されています。
現状では、①レベル3にも課題が多いこと②レベル4は人がいる場所の上空を目視で確認せずに飛行させるため、今まで以上にドローン飛行のリスクを低減させる必要があることから、レベル4の飛行が一般的になるまでにはかなり時間を要すると言われています。
レベル4の実現へ向けて
現在政府は、レベル4の飛行実現に向けて、使用する機体の信頼性や縦者の技量、運航管理の方法が適切であるかどうか、これまで以上に厳格に担保する仕組みが必要であると考えています。
レベル4の飛行が実現したのちは、荷物配送をはじめとしたサービスが広く活用されることが予想されるため、現行の制度のように飛行ごとに審査を行うのではなく、航空機や自動車のようにあらかじめ国が機体や操縦者の安全性を証明することにより、個別の飛行ごとの手続きを簡素化することも検討されています。
そこで現在準備が進められているのが、機体認証制度とドローンの操縦ライセンスの国家資格化です。
◎ 機体認証制度
ドローンの機体と所有者を紐づけることで、機体の所有者を明らかにする制度です。また、この制度によって、自動車と同じように機体の安全基準を設定することや、設計・製造過程での実機検査を行うことも予定されています。
さらに、遠隔で機体情報を識別・照合し、所有者や位置情報等を確認できる「リモートID」という技術の開発も併せて行われています。飛行中のドローンから登録記号などの識別情報や位置情報等を発信し、関係者が情報を受信できる「ナンバープレート」のようなものとして活用が見込まれているものです。
◎ 操縦ライセンスの国家資格化
ドローンに関する民間資格はすでに複数種存在してはいるものの、機種によっては十分な技術があれば資格を取得しなくともドローンを使用して作業を行うことは可能です。
操縦者の安全性を証明する手段として、政府はドローン操縦ライセンスの国家資格化を進めており、2022年中に制度をスタートさせることが決定しています。国が試験(学科・実地)を実施し、操縦者の技能証明を行うことで、ドローンに関する事故を減らす効果が期待されています。
資格は「一等資格(レベル4が該当する第三者上空飛行に対応)」と「二等資格」に区分され、機体の種類(回転翼・固定翼等)や飛行の方法(目視外飛行・夜間飛行等)に応じて限定されるとされています。
農業分野で目指す姿
先日公開された「空の産業革命に向けたロードマップ2021」の中で、農業分野におけるドローン技術活用の道筋についても示されました。
空撮画像から作物の生育状況や病害発生状況を解析するセンシング技術や、農薬等の散布、
害獣駆除の場面でこれまで以上にドローンの活用が推進される予定となっています。
※首相官邸「空の産業革命に向けたロードマップ2021」より
現時点で検討段階の事項が多いものの、ドローン飛行にかかわる制度や規則が変更されていく予定となっています。ドローンを営農にご活用されている方、導入を検討されている方は今後の動向に着目する必要がありそうです。
詳しくは首相官邸HPをご覧ください。