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植物の力で発電!未来の農業や生活を変える「botanical light」とは

マルチローター、モニタリングサービス、栽培環境の自動制御など、スマート農業の実践に欠かせない機器類には電気を使用するものが多々あります。燃料価格の高騰や安定供給への懸念、地球温暖化対策といったエネルギー関連の課題を抱える昨今、植物を用いた空間演出を手掛ける株式会社グリーンディスプレイとプリント基板設計ソフトの開発などを行う株式会社ニソールは、植物と微生物の生命活動から放出される電子を利用して発電する「botanical light(ボタニカルライト)」の共同開発を進め、注目を集めています。
未来の農業や人々の生活を変える可能性をもつbotanical light。植物と土壌中の微生物の力で発電する新しい技術をご紹介します。

 

発電のメカニズムとメリット

botanical lightは、植物と共存する微生物が生命活動をする際に、土壌もしくは水中で放出されるマイナスの電荷(電子)を拾い、それを電力に変換します。植物が元気で、水があれば日照時間や天気に左右されることなく、長期的に安定して発電し続けることが可能な「未来のエネルギー」です。

施工は至ってシンプル。
植物が生育可能な土壌や水場に電極を挿すため太陽光発電と違い、景観を損ねないという利点もあります。また、発電に際して排出されるものは水のみなので、環境にやさしいのも大きな特長です。

 

実証実験の状況と今後の展望

2021年から行われている実証実験を通じて、botanical lightは約3.3Vの電圧を発生させ、イルミネーションなどに利用できることが明らかになっています。現在は、ポータブル蓄電池を満充電するのに約2ヶ月を要する発電量なのだそうです。株式会社グリーンディスプレイが次に目指しているのは、発電量を増加させ、botanical lightの可能性を広げること。そのために、発電効率の良い植物の種類や土壌などの環境条件を明らかにすることを目的として東京農業大学との共同研究もスタートさせました。さらにその先には、農業用センサー機器の電源や植物工場のライトとしての活用など、農業分野における実用化も見据えています。
農業や人々の暮らしを変えるbotanical light開発の一層の進展と製品化に期待が膨らみます。
今後の動向に注目です。

 

2023年3月現在、botanical lightはプロトタイプとして開発段階にあり、商品単体での販売は行われていません。株式会社グリーンディスプレイが施工・納品から定期メンテナンスまでを行うことが導入の条件となっております。

● 株式会社グリーンディスプレイHPはこちら >>> green-display.co.jp

 

 

 

<これまでの実証実験や展示会の様子>
屋内外を問わず、想定通り発電し、ライトが点灯していることが確認されています。

● 植物が未来のエネルギー!?展

 


● 植物が未来のエネルギー!?展

 


● 世田谷区烏山川緑道