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改正植物防疫法が成立
先日SAc WEBでご紹介したみどり戦略関連法案とともに議論が行われてきた改正植物防疫法が、4月22日に成立しました。
今回の農トレでは、植物防疫法改正の背景を整理し、改正法のポイントについてご紹介いたします。
植物防疫法とは
植物防疫法は、作物に有害な動植物を駆除しまん延を防止するために、1950年に制定された法律です。世界の食料の2~4割ほどは病害虫被害によって失われていると推計されており、食料を安定的に供給するためには、病害虫の侵入とまん延を防ぐことが非常に大切です。日本では植物防疫法にもとづいて植物防疫所を設置し、輸出入検疫と国内検疫を行っているほか、国内の病害虫防除を実施しています。
改正植物防疫法について
● 改正の背景
昨今、地球温暖化による気候変動、人やモノの移動の増加を背景に、有害動植物の侵入、まん延リスクが増加しています。また、薬剤耐性の発生や農業現場における環境負荷の低減が国際的な課題となっており、農薬のみに頼らない総合的な防除の仕組み構築が急務とされていることから、農業での環境負荷低減を目指す「みどりの食料システム戦略」の法整備とともに植物防疫法改正に関する議論が進められてきました。
● 法改正のポイント
今回の法改正では、有害動植物の侵入状況を調査する事業を法的に位置づけるほか、生産者が防除で守るべきルールを都道府県が規定できる制度を創設すること等が決定しています。
・進入調査事業の実施および緊急防除の迅速化
国内での存在が確認されていない有害動植物を対象に、国内への進入状況を調査する事業を法定化し、発見者には通報義務を設置します。
また、緊急防除の対象となる有害動植物※について、農林水産大臣が防除内容の基準をあらかじめ作成した場合には、緊急防除の事前周知期間を現行の30日間から10日間に短縮します。
※対象の有害動植物は、今後国が決定し発表する見通しです。
・総合的防除の推進計画を都道府県が定める制度を創設
農薬だけに頼らず、発生予防を中心とした総合的防除(土作りや輪作、抵抗性品種を取り入れるなど)の指針を国が示し、指針に沿って都道府県が推進計画を策定します。推進計画には、防除対応に関する生産者向けのルールを規定し、都道府県が助言、指導できるようにします。生産者がルールを守らず、農作物に重大被害を与えるおそれがある場合は、勧告・命令できる措置も規定し、命令に従わない場合は過料の徴収も可能とします。
・植物防疫官の検査権限を強化
植物防疫官が行う立入検査、輸出入検疫及び国内検疫並びに緊急防除のために講じる措置の対象に農機具類の物品を追加します。土などの付着リスクが高い中古農機なども水際検査の対象になり、輸出検疫と国内検疫でも同じ措置を講じます。
・輸出植物検査の一部を民間でも可能に
検査業務が増加していることから、現在は植物検疫官だけが行うことができる輸出検査の一部を、農林水産大臣の登録を受けた第三者機関も実施できるようします。
SAcでは、農業関係者の皆さまにとって有益な情報をお届けすべく、引き続き最新の農業情報に着目し、情報発信に努めてまいります。
● 農林水産省「植物防疫法の一部を改正する法律案の概要」はこちら