[SAc WEB]SAcが運営するスマート農業情報サイト [SAc WEB]SAcが運営するスマート農業情報サイト

ログインログイン

Facebook

サイト内検索

AI潅水施肥システムのゼロアグリを開発するルートレック・ネットワークスが施設園芸市場のスマート農業導入者への調査レポートを大公開!

AIによる潅水施肥のスマート化を目指す賛助会員・株式会社ルートレック・ネットワークスは、自社製品であるAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」の国内累計導入台数が300台を突破したことを発表しました。この機会に、ルートレック・ネットワークスではゼロアグリを導入した生産者への大規模な調査を実施。今回の農トレでは、データ活用による精密農業を実践する生産者の貴重な「現場の声」を集めた調査レポートを紹介します。省力化効果を実感される生産者が多い一方で見えてきた課題とは、ぜひご注目ください。

 

【ゼロアグリ全国導入マップ】

 

調査の目的と概要

農業センサスによると、国内の農業経営体数は2005年の200万戸から2020年には107万戸まで減少し、65歳以上の農業従事者の割合は69%と、担い手不足と高齢化は深刻な社会問題となっています。これらの課題解決のためにデータ活用によるスマート農業の実践が推進されていますが、農業現場でデータを取得し、分析して活用しているという経営体はわずかに1.1%といわれています。

ルートレック・ネットワークスのゼロアグリは、環境センサー情報や気象情報をもとに作物にとって最適な潅水量と施肥量をAIが判断し、自動で供給することができるスマート農業機器です。2015年に販売を開始し、2021年10月に導入台数が全国で300台を突破しています。ここまでの普及は決して楽なものではなかったという同社では、実際にゼロアグリをご利用されている生産者へのアンケート調査を実施し、導入効果や課題のヒアリングの結果を今後のスマート農業関連機器の普及等に活用することを目的に貴重な調査レポートを公開しています。

アンケート調査概要

・内容:潅水施肥作業における導入効果、製品評価、改善要望を聞き取り

・期間:2021年9月17日~10月25日

・方法:WEBフォーム回答

・対象:ゼロアグリユーザー267名

・有効回答数:50件

 

 

調査結果から読み取れる課題とは

1)スマート農業の利用ユーザー層

今回のアンケート回答者の年齢分布を見ると約50%を20代と30代の生産者が占めています。国内の農業従事者の69%を65歳以上が占めている一方で、60歳以上のゼロアグリユーザーの割合は12%にとどまっており、国内の生産者の大半を構成する高齢者へのスマート農業の実践へのハードルは高いことが考察されます。今後、さらにスマート農業機器を国内で普及していくためには、若手生産者の増収と規模拡大をサポートするような仕組みだけでなく、幅広い世代で使いやすく必要とされる機能の開発等が求められているといえます。

 


● アンケートに回答された生産者情報

 

 

2)農作業の自動化について

ゼロアグリを導入されている生産者のうち、90%近くの生産者が省力化(時短)効果を実感しており、AIを活用した自動潅水のタイミングについても90%の生産者が良好と回答しています。一方で、猛暑日などですぐに潅水をしたい状況でタイムリーに設定が反映されず、実際の潅水までタイムラグが発生してしまうという課題も見受けられます。経験に基づくアナログな運用と、デジタルによる自動化のバランスがハイブリッド的に、かつシームレスに実装されることが、生産者にとってメリットのあるスマート農業機器活用につながると考察されます。

 

● ゼロアグリ導入前後における作業時間と潅水について

 

 


● ゼロアグリ導入前後における施肥と効果について

 

 

3)ゼロアグリの導入効果について

ゼロアグリ導入により、88%の生産者が【時間的余裕ができた】、76%の生産者が【品質向上】、72%の生産者が【収量アップ】につながったと回答されています。また、時間的余裕ができた生産者のうち90%以上は、余裕ができた時間を作物の管理や他圃場の栽培に使っていることがわかりました。ゼロアグリの活用により、収益の最大化を達成するための生産者の時間的リソースの最適化が可能となることが証明されたといえそうです。

 

● ゼロアグリ導入による品質と収量への影響

 

 

4)今後の課題

ゼロアグリの今後の改善点や要望として、地上部の環境制御機器や栽培管理システムとの連動に多くの声があがる結果になりました。各システムをそれぞれ操作するのではなく、1つの画面上で管理できることで、さらなる管理効率の向上が可能となります。また、部品等の故障の際のサポートや、部品代のコスト削減などのメンテナンスに関する要望も多くあがっています。作物の生育にとって潅水施肥は重要なものであり、1日でも機器が止まってしまうと栽培に大きな営業がでてしまいます。

これらの声をうけ、ルートレック・ネットワークスでは、生産者が安心してスマート農業機器を使えるようなサポート体制の構築も含めたサービスの向上とスマート農業機器の普及に努めるとしています。

 

 

アンケートの全レポートはこちら>>>AI潅水施肥システムのゼロアグリ 導入台数300台突破、施設園芸市場のスマート農業導入者 調査レポートを大公開!

ゼロアグリの詳細はこちら>>>AI灌水施肥ロボットZeRo.agri 製品ページ

 

\ あわせて読みたい!/

ゼロアグリを導入している生産者をアグレポで紹介しています。

記事はこちら>>>【アグレポ】Report.10 萩原農場