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国が検討をすすめる新規就農者に対する新たな支援事業

これまで新規就農者向けに用意されていた支援事業「農業次世代人材投資事業(経営開始型)」に変わり、2022年度から新たな制度が設けられることをご存知でしょうか。

12月15日、農林水産省が検討している2022年度からの新規就農支援事業の見直しの概要が判明し、2022年度予算で新設される予定の「新規就農者育成総合対策」の概要が見えてきました。

今回の対策は、49歳以下の農業従事者を2023年までに40万人に拡大させることを目標に実施されるもので、新規就農者に対する資金面や技術面への支援を拡充し、農業への人材の一層の呼び込み促進を図る模様です。

 


 

「新規就農者育成総合対策」資金面の支援の概要


① 経営開始への支援

新規参入者のほか、親元就農し5年以内に経営を継承した人を対象に、経営開始資金として最大1,000万円を支援。

(1,000万円を無利子融資の上、その償還金を国と地方が支援。一部は毎月の定額助成として最大13万円を最長3年間まで受け取ることも可能。)


② 雇用就農への支援

雇用元の農業法人等に対して、年間60万円を最長4年間支援。


③ 研修への支援

研修期間中の研修生に対して、月12万5000円を最長2年間支援。

 

(農林水産省HPと12月16日の日本農業新聞より作成)

 

①の支援策は、対象者が開始3年目までに施設や機械などに行う投資に対し、日本政策金融公庫が最大1,000万円を無利子で融資し、その償還金の全額を国と地方自治体が支援するものです。また、1,000万円のうちの一部を、毎月の定額助成(月13万円を上限に、最大3年間)として受け取ることも可能です。

 

現行の「農業次世代人材投資事業(経営開始型)」は、49歳以下の新規就農者などが対象で、農業を始めてから5年で経営が安定するのを見込み、最大690万円(1~3年目は年150万円、4~5年目は120万円)を交付していました。農業次世代人材投資事業(経営開始型)は、2021年度に新たに交付対象になった人を最後に終了する予定で、2022年度以降は、投資に対する支援額が最大1000万円と、今まで以上に手厚い支援が受けられるようになる見込みです。

 

12月16日の日本農業新聞によると、この補助とは別で、全額国費で、新規就農者に月12万5000円を最長3年間交付する事業も予定されています。対象となるのは、新規参入者のほか、親元就農から5年以内に経営を継承し、新規作物の導入などに取り組む人です。この交付を受ける場合には、機械や施設などの導入を支援する補助対象事業費の上限は500万円となると報道されています。

 

また、②、③の支援策についても、報道によると現行に引き続き全額国費で措置する方針で、一定期間、上記の支援が行われる予定です。

 

 

「新規就農者育成総合対策」技術面・人材呼び込みの支援の概要

「新規就農者育成総合対策」の中でまとめられている、技術面における支援策や、人材呼び込みの促進に関する支援策は以下のとおりです。

 

● 技術面の支援

① 農業研修への支援

農業団体等の伴走機関が行う実践的な研修農場の整備等を支援。

 

② 技術指導への支援

先輩農業者等による新規就農者への技術面や販路の確保等のサポートを支援。

 

③ 農業教育への支援

農業大学校・農業高校等における農業教育の高度化等を支援。

 

● 人材の呼び込み等の促進

① 多くの人に職業としての農業の魅力を伝えるための情報発信等を支援。

② 就農に関する情報の一元化や相談体制の強化等による円滑な就農へ繋がる取り組みを支援。

 

(農林水産省HPより抜粋)

 


 

今回ご紹介した新規就農者等に対する支援事業見直しの詳細は、2021年内に、22年度予算概要決定にともなって固まる見通しです。

続報が入り次第、SAc WEBでお知らせしてまいります。

 

【関連リンク】

農林水産省 HP