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Report.3 北日本スカイテック株式会社

誇りとプライドを持って
「好き」を原動力に未来へはばたく。
進化を続ける無人ヘリコプターの先駆者。

北日本スカイテック株式会社
常務取締役 
浅香寿昭さん

北日本スカイテックは、産業用無人ヘリコプター・マルチローター・散布用ボートの点検整備、オ
ペレーターの養成などを通じて、無人航空機の利活用をサポートしています。2018年6月には、農業技術のさらなる向上を目指してつくられた「TECHNOLOGY FARM 西の里」へと拠点を移して活動しています。


 

当時の主流は鉄砲防除!?

 

―昔の農薬散布方法は?

昭和62年の無人ヘリコプター発売当時は水稲防除と言えば動力噴霧器の「鉄砲ノズル」や粉剤を撒くための「ナイアガラ」等を使って行っていました。なかでも鉄砲ノズルは水圧のかかったホースを数人で引っ張り畦を歩いていく力が必要でかなりの重労働でした。

 

―無人ヘリコプター導入後の変化は?

無人ヘリコプターで農薬散布ができるようになってからは3人程で作業でき、1日あたりの散布面積も大幅に伸びました。散布方式も大量に希釈した農薬を撒くのではなく、少量散布ですので稲に撒かれた農薬が流れ落ちることも少なく、乾きも早くて効果的との声が多く聞かれました。

 

―始めた当初の反応は?

はじめの頃はあちこちでデモフライトしていました。機種はヤマハ発動機(株)が世界で初めて実用化した産業用無人ヘリコプター「YAMAHA R50」です。みんな口開けて見ていましたね~。圃場で飛ばしていると、一般の方も車を止めて興味深そうに見ていて、渋滞が起きるほどでした。関係者からは無人ヘリコプターで農薬が撒けるようになることに驚きと期待の声が上がっていた一方で、否定的な意見もありました。あれから30年余りを経て、信頼と実績を積み重ね、徐々に多くの生産者へと普及していきました。余談ですが、漁協のイベントでデモフライトを頼まれ港の上を飛行させたこともありました。当時の機体は姿勢制御もGPSもありませんから、港を広範囲に飛行させるのが大変で海に墜落するのではないかとヒヤヒヤでした!(笑)

 

―実際に農薬散布をした生産者の反応は

感謝の言葉と農産物をいっぱい頂きました。私自身、鉄砲ノズルで防除した経験が無いので比べることは出来ませんが大変な作業だと聞いていました。それが圃場の上を飛んで1haを8分ほどで終了!生産者の方が『楽になるね、これからはこれだね!』と笑顔で話されていたのを思い出します。でも当時は口にしませんでしたが、マニュアル機を1日中飛ばしているのも結構大変でしたよ!

 

●無人ヘリコプターによる農薬散布の様子

 

―無人ヘリコプターの散布作業の流れは?

朝はブリーフィングから始まり天候や風向・風速、服装や使用周波数の確認をします。無人ヘリコプター散布には安全対策マニュアルがあり飛行の速度、高度、間隔の決まりがあり正確な飛行が求められ、なおかつ、農薬の飛散防止対策や障害物に向けて飛行しないなど様々なルールを遵守しながら1日の予定面積を効率よく散布します。寝不足、二日酔いは大敵、作業中の休憩や水分補給など体調管理をしっかり行い安全に作業し、散布面積の集計、未散布や薬量の最終確認を行い終了です。

 

―早朝から始まり長時間にわたる炎天夏の作業。ここまで頑張れた秘訣は?

辛いのは朝起きるときだけですね!圃場に出れば気持ちよくヘリを飛ばせますし、水稲防除期間は約1カ月、一年中防除作業だけをしているわけじゃありませんからね!弊社は、機体販売・メンテナンス・アカデミー・安全普及活動など時期によって様々な仕事があって飽きることはありません。最近では歳のせいかもしれませんが一年間が短く感じます。そんな中で多くの生産者様と出会いがあり、無人ヘリコプターへの思いや要望を伺うこともできます。2019年3月にはヤマハ発動機(株)が、いわゆるドローン、ヤマハ「YMR-08」を上市しました。これからも無人航空機という広いカテゴリーの中で良いサポートが出来るよう、この仕事に誇りを持って取り組んでまいりたいと思っています。

―これからの課題とSAcに期待すること

無人ヘリコプターの稼動は夏場に集中しています。弊社における請負散布事業もこの時期が一番の繁忙期、圃場の大規模化や農業者の高齢化で請負散布面積も増え続け、散布作業の人手不足が課題となっています。これからの請負散布事業を円滑に対応するには、新しい発想とより多くのパートナー(請負作業者)が必要です。SAcにおいて企業・団体・生産者様からの技術や情報を基に様々な視点からこの課題に解決策を見出せればと思っています。

 


 

おわりに

昨今、よく見聞きする「スマート農業」という言葉。しかし浅香さんは昔から生産者の方は、自然を相手にする難しさを理解し、そのなかでスマート(賢い)農業を選択し実践してきたといいます。「より作業を効率的に、もっと美味しい作物を、という考えを昔から生産者の方は持ち続けている。近年の技術革新は生産者にとって『スマートな』農業を実践するための選択肢を増やしました。生産者の方が自らの経営方針に合った機材やシステムと出会える様にSAcとして、その選択肢と生産者をつなぐサポートもしていきたいですね」

●2019年3月発売「YMR-08」