Report.19 学校法人八紘学園北海道農業専門学校
自身の力で将来を切り拓く、未来志向の農業人材を育成
確かな技術と人間力が身につく、歴史深き学び舎
賛助会員・学校法人八紘学園北海道農業専門学校は、体系的なプログラムで農業を学ぶことができる2年制の専門学校です。1930年の開校以来、農業のプロフェッショナルを全国へ輩出し、校名よりも法人名の「八紘学園」の名で親しまれてきました。
今回、北海道農業専門学校で20年以上学生指導に携わる教学部長の馬場洋二先生にお話を伺い、学校の教育方針や魅力に迫りました。
学校法人八紘学園
北海道農業専門学校
教学部長 馬場 洋二 さん
大阪府出身。地元の高校を卒業後に北海道農業専門学校へ進学。
2年間の学びののち、ブラジルへ渡り1年間の農業研修を受ける。帰国後は札幌市内の公園での花き管理を経験し、1995年に着任。
花き栽培を専門に指導し、構内の花菖蒲園の管理や同校オリジナル品種の育種に従事。花き科科長を経て2020年より現職。
農業現場に近い環境で即戦力を養成
八紘学園に根付く実践主義とは
札幌市と日高町に合わせて190ヘクタールほどの広大な敷地を持つ北海道農業専門学校には、畜産グループと園芸グループに分かれた6つの専攻科があり、農業を志す学生が50名ほど在籍しています。
● 札幌ドームにほど近い場所に校舎を構える北海道農業専門学校
農業は五感で体得するものと捉える同校のカリキュラムは、徹底した実践主義によって作られています。実習の機会が豊富で、卒業後すぐに農業現場で生きる力を身につけられることが最大の強みです。雪解けから10月末までの夏期を実習期間、11月以降を冬期講義期間として設定。カリキュラムの大半を占める実習と、その経験の裏付けとなるような理論を学ぶ講義を通じて、体系的に実践力を養成します。2年間という短い期間でより技術を習得できるよう、年次に合わせた実習の内容にも工夫をこらします。入学後の1年は、野菜、果樹、花き、畜産、耕作機械について日替わりで実習することで学生に幅広い経験を積ませ、2年次には希望の専攻科に絞って集中的に学ぶ。これが北海道農業専門学校のスタイルです。
かつてご自身も同校で実習に励んだ馬場先生は、実践力を磨くカリキュラムと同時に学びの環境にも自信をのぞかせます。「営農に必要な感覚を自分自身のものにするには、時々刻々と変化する動植物や天候などを現場でつぶさに観察することが必要不可欠。座学で知識を得るだけではなく、圃場で試行錯誤することがなによりも重要です。当校では、使用する設備や圃場面積を一般的な農業現場に近づけているため、より生産者に似た環境で経験を積むことができます。それゆえ、ときにハードな場面もありますが、得られるものは多いはず」と、同校には農業を学ぶうえで最適な環境があると話します。また、実習中心の学びを強力にサポートするのが、経験豊富な教職員や外部講師です。外部講師は、学校が連携する農業関連企業のなかで実務に精通する方が担当することが多く、実習を通じて現場で求められる力を身につけられるように深慮されています。
北海道農業専門学校では、担い手不足をはじめとする農業現場の課題を解決するものとして、現場実装に期待が高まるスマート農業にも目を向けています。既に最新ドローンや大型農機の自動操舵システム、牛の行動管理用のセンサーなどを導入。これらの最新機器を実習で活用し、スマート農業を実践できる人材の育成にも余念がありません。さらに、農業関連企業や他の教育機関との連携を強化し、今後も最新技術に対応した授業を展開していくほか、農業用ドローンの操縦資格が取得可能な新たなコースの設置を計画しています。「『楽だから何でも機械に任せてしまおう』という考えでは、うまく新技術を活用できません。現場で技術を使いこなすには、前提となる知識や感覚が鍵を握ります。遠回りに思えても、地道に実習に取り組むことが重要です」と、今後の農業を担う人材育成に力を込めます。
● 取材させていただいた4月上旬、春休み期間中にもかかわらず、学校の圃場には自主的に作業に来る学生が。写真は野菜科、耕作機械科の2年生。
学生のやる気に応える環境で、社会人基礎力の基盤形成をサポート
農業現場の即戦力を育成する北海道農業専門学校には、過去の農業経験や知識の有無を問わず、農業に関心を寄せる方が全国から集まります。経歴や年齢が異なる個性豊かな同志とともに切磋琢磨する環境がある同校では、社会人基礎力の醸成も大切にしています。全寮制を取り入れ、社会人に求められるコミュニケーション力を養う場を設けているほか、教育や進路指導では学生の自主性を重視しています。
学生が取り組みたい内容には、校内にあるものでどのようなことにもチャレンジできるフォロー体制を整えています。卒業課題として育てる作物や品種は自由に選択できるなど、学校全体で学生のやる気に応える風土があります。在校生の多くが就農や農業関連法人への就職を目指すなか、就職相談会や卒業生の生の声を聞くことのできる機会を通じて、後悔のない進路選択をサポートします。
馬場先生は学生に対し、学生生活を通じてさまざまな「気づき」「きっかけ」を得てほしいと考えています。「自身の興味関心のみにとらわれるのではなく、学生には幅広い視野で物事を考える癖をつけてほしいです。そのために教職員ができることは、学生生活の中で沢山の選択肢を見せてあげること。当校では、自身の意欲次第で多くのことにチャレンジできる環境を整えています。『農業の世界に飛び込みたい』という気持ちを持つ方に、広く門戸を開きたいです」と、農業に熱い想いを持つ方の入学を心待ちにしています。
北海道農業専門学校の建学理念「自耕自拓」には、「自分自身の力で道を切り拓く」という思いが込められています。開校から90年以上たった今も、この自耕自拓の精神が受け継がれ、日々の教育において実践されています。学生が描く将来像の実現を、学校の持つ力すべてでサポートする。そんな環境でのびのびと学ぶ学生の笑顔が、今日も構内のあちこちで溢れています。
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